フォトニック結晶薄膜の高速製造とデバイス化
【研究分野】反応・分離工学
【研究キーワード】
フォトニック結晶 / 自己組織化 / ナノ粒子 / レーザー / 光メモリー / 離散要素法 / 自然沈降 / 蛍光 / フォトニッククリスタル / デバイス / フォトニックバンドギャップ / シリカ / 結晶化 / 高速製膜 / フォトニッククハスタル
【研究成果の概要】
フォトニック結晶は、光の波長レベル(数百ナノメーター)の大きな構造周期を有する「結晶」で、21世紀の光情報化時代の基幹材料である。本展開研究では、1)生成機構の解明と高速製造と2)デバイス化に関する検討を行った。
1)生成機構の解明と高速製造
自然沈降法による三次元フォトニッククリスタル形成過程の最適化とメカニズム検討を行った。これらの知見をもとに薄膜化に関して離散要素法(Discrete Element Method, DEM)法を用いてシリカ粒子の自己配列過程の計算機シミュレーションを実施し、実験と比較検討を行った。初期条件を変化させることにより、点欠陥、線欠陥の発生するメカニズムについての知見を得ることができた。欠陥の少ないフォトニック結晶薄膜の高速製造のための指針が得ることができた。
2)デバイス化への展開
フォトニック結晶中に色素と金属微粒子を閉じ込めることにより、低しきい値で発振するレーザーの開発を検討した。色素や金属微粒子の固定法を工夫することにより、スパイク状のパルスを発振できることに成功した。
コロイド化学的に合成した半導体ナノ粒子のウェットプロセスによる自己配列法の検討を行い、配列構造と光機能の相関について解析した。半導体ナノ粒子配列構造において励起光照射時間に伴い、蛍光発光強度が非線形な挙動を示すことを見出した。この非線形発光挙動は、ナノ粒子配列における一部の粒子の光イオン化によるマトリクスの静電ポテンシャル上昇および光酸化によるエネルギー障壁の生成による光イオン化速度の減少、すなわちナノ粒子群としての見かけの量子効率変化として説明できる。解析の結果、この現象は粒子充填密度が深く関与していることが示唆された。光メモリーへの応用が期待される。
【研究代表者】
【研究分担者】 |
中西 章夫 | 三菱化学株式会社 | 横浜総合研究所 | 主任研究員 |
山口 由岐夫 | 東京大学 | 大学院・工学系研究科 | 教授 | (Kakenデータベース) |
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【研究種目】基盤研究(B)
【研究期間】2000 - 2001
【配分額】12,700千円 (直接経費: 12,700千円)