韻律に着目した音声言語情報処理の高度化に関する調査研究
【研究分野】知能情報学
【研究キーワード】
韻律 / 音声言語情報処理 / モデル化 / 多様性 / 合成 / 認識 / データベース / 音声応用システム
【研究成果の概要】
韻律は、文字言語にはない音声言語特有の特徴であり、言語情報のみならずパラ言語情報、非言語情報の伝達に主要な役割を果たしている。従って、今後の音声認識・合成の研究は、韻律の明確な定式化を行った上で、それに立脚して進める必要があると考えられる。本研究は、この様な観点から、音声の韻律に関し、その分析、生成、知覚、合成、認識、応用、データベースといった基礎から応用に渡る広い範囲の研究を統合して発展させることにより、音声言語情報処理の高度化に資することを目的とするものである。本年度は下記の成果を得、所期の研究目標を達成した。
1. 音声の韻律に関し、分析手法、モデル化と定式化、多様性の分析、生成規則、音声知覚における役割、連続音声認識への利用、データベース、音声応用システムといった多角的な観点から統合的な検討を進めるとともに、全体会合あるいはインターネットを活用した意見交換基づいて韻律研究の全体の計画を立案し、研究体制を構築した。その成果として、平成11年度発足を目指した特定領域研究(B)「韻律に着目した音声言語情報処理の高度化」を立案した。これは、本研究の研究代表者、分担者を中心に国内の韻律関係の主要研究者を組織したもので、総括班を含む計画研究班8からなる。
2. 韻律研究を主テーマとしたシンポジウムを企画・開催した。代表者・分担者からの個別の課題に対する研究発表とともに、国内招待者2名、海外招待者1名による、韻律モデル、韻律と合成、韻律と認識をテーマとした講演を設定した。これにより、韻律研究の問題点と今後の方向等に関して、広く意見交換を行い、研究課題と研究計画に反映させた。
3. 代表者・分担者の韻律に関する研究成果あるいは解説をまとめ、冊子体の報告書として作成し、主要関係研究機関に配布した。
【研究代表者】