林冠動態を基礎とした森林生態系機能の広域把握技術
【研究分野】生態
【研究キーワード】
森林 / 林冠 / 生態系機能 / リモートセンシング / 空中写真 / スケールアップ / 広域把握 / 粗視化 / 林冠動態 / 環境要件
【研究成果の概要】
(1)空中写真を用いた林冠動態モニタリング手法の応用範囲をひろげる目的で,山本(照葉樹林),大久保(熱帯林),紙谷(ブナ択伐林)がそれぞれ担当とする森林についてこの手法が適応可能性を検討した。その結果、常緑樹林および施業林での適用可能性と有効性が明らかになった。
(2)林冠動態を実際の樹木の個体群動態と結びつけた行列モデルを開発し、林冠動態が樹木個体群に与える影響を評価することが可能になった。また、実際の森林施業においても林冠の動態が個々の樹木の更新特性に大きな影響を持つことが実証された。
(3)これまで地上で得たデータと照合して,田中と浅野(中静)は生態系機能の推定について,とくに林冠高とバイオマス,林冠高の変化と生産性について推定方法の検討と精度計算を行い、その可能性を評価した。また、草食動物の餌量推定という新たな可能性への展開も検討し、手法の有効性を示すと同時に、過去の森林施業の影響によって草食動物の餌現存量とその空間分布が大きく影響されていることがわかった。。
(4)吉村と浅野(中静)は,GIS画像解析装置を京都大学生態学研究センターに導入して,空中写真の解析結果をGISへの組み込むと同時に,衛星データとの整合性検討やスケールギャップの解消技術を目指し、幾つかの成果をあげた。また、林冠の3次元構造の把握手法としてあらたにレーザーポロファイリングを試行し、将来的な技術開発とその有効性をについて有望な可能性を明らかにした。
【研究代表者】