プレセラミック物質を用いた窒化アルミニウム-窒化チタン固溶体の合成
【研究分野】無機材料・物性
【研究キーワード】
前駆体法 / 窒化チタン / 窒化アルミニウム / 固溶体 / コンポジット / 無機高分子 / 窒化物セラミックス / 構造解析
【研究成果の概要】
窒化チタン前駆体と窒化アルミニウム前駆体の可溶性を利用して、blend法により窒化チタン・窒化アルミニウムコンポジット(Ti-Al-N)前駆体を合成し、その前駆体の熱分解過程について検討した。TiN前駆体はTi(NMe_2)_4とMeHNCH_2CH_2NHMeのアミン交換反応により合成したTi-N結合を有する可溶性オリゴマー、AIN前駆体は可溶性カゴ型化合物(HAINPr^i)_mであった。Ti-AI-N前駆体中のTi : AI比が約1:2、2:1及び5:1になるようにTiN前駆体とAIN前駆体をベンゼンに溶解し、室温で撹拌後ベンゼンを除去することでTi-AI-N前駆体を得た。IR及び^1H NMR分析により、Ti-AI-N前駆体にはTi-N-AI結合がほとんど存在していないと考えられた。いずれのTi-AI-N前駆体においても、NH_3-N_2雰囲気下で熱分解したところ、褐色固体が得られた。前駆体の収率は全て約30%で、理論収率と近い値が得られた。さらに、焼成物のTi : AI比もTi-AI-N前駆体のTi : AI比とほぼ一致していた。Ti : AI=5:1前駆体から得られた焼成物のXRDパターンでは岩塩型化合物の回折線のみが観測された。Ti : Al=2:1前駆体を熱分解したところ、岩塩型化合物に加え2H-ウルツ鉱型AINが結晶相として得られた。また、Ti : AI=1:2前駆体を熱分解したところ、2H-ウルツ鉱型AINと岩塩型化合物からなるセラミックコンポジットが生成した。焼成物の格子定数及び組成分析から、これらの岩塩型化合物はTi(N,C,O)固溶体であると考えられ、格子定数から判断するとTi-AI-N系固溶体生成の可能性は低いものと考えられた。SEM観察により、いずれの焼成物も主に20-40nmの直径の粒子から構成されていることが分かった。
【研究代表者】
【研究分担者】 |
黒田 一幸 | 早稲田大学 | 理工学部 | 教授 | (Kakenデータベース) |
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【研究種目】基盤研究(C)
【研究期間】1998 - 1999
【配分額】3,500千円 (直接経費: 3,500千円)