金属多核構造を精密に構築したポリオキソメタレートを用いたアルカン酸化触媒の開発
【研究キーワード】
メタン / ポリオキソメタレート / 酸素酸化 / ホルムアルデヒド / 鉄導入ポリオキソメタレート / 高分散担持触媒 / メタノール / 鉄置換ポリオキソメタレート / 選択酸化反応 / アルカン酸化反応 / 金属置換POM触媒 / 酸素酸化反応 / 担持POM触媒 / 高選択的酸化反応
【研究成果の概要】
低級アルカンの酸素酸化反応として、メタンをターゲットとし酸素酸化反応を行った。メタノール・ホルムアルデヒドなどの反応生成物は基質より反応性が高く選択性のコントロールが難しい。そこで、金属導入ポリオキソメタレートを用いて精密に設計した活性点を有する均一な固体触媒を合成することで、メタン酸化反応においても高い選択率を示す活性点構造を合理的に設計できると考えた。本研究では、前駆体として鉄二核導入ポリオキソメタレートのテトラブチルアンモニウム塩をシリカに担持して873 Kで反応を行ったところ、二酸化炭素の生成を抑えてホルムアルデヒド・一酸化炭素を合わせて収率2.0%(選択率87%)を達成した。
【研究の社会的意義】
本研究の目標が実現されれば、多大なエネルギーやコストを消費する合成ガス製造プロセスを経由せず、含酸素化合物を含む有用な化学原料を合成できるようになる。また低温触媒プロセスは高温のそれと比べてプロセス全体の簡便・低コスト化につながり、これまで実現し得なかった新たな需要(オンサイト・オンデマンド合成)を生み出すことが期待される。学術的には、新規な担持金属導入POM触媒の設計や新規触媒系を提供する点で波及効果は大きい。近年、触媒インフォマティクスの発展により計算化学的手法で活性点構造を予想することが可能となってきているため、POMに組み込み固体触媒を創出するなどの発展も期待される。
【研究代表者】
【研究種目】若手研究
【研究期間】2020-04-01 - 2022-03-31
【配分額】4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)