ゼオライトの結晶化過程の解明と制御に関する研究
【研究分野】触媒・化学プロセス
【研究キーワード】
ゼオライト / 水熱合成法 / ドライゲルコンバージョン法 / 結晶化メカニズム / ナノ粒子 / メソ孔 / 触媒特性 / MFI / MCM22 / メソポーラス / 結晶化 / DGC法 / 粒径制御 / 水熱合成 / シリカライト / 形態制御 / 触媒活性 / 異性体選択性 / 流通合成 / 結晶化過程 / 結晶形態 / ナノ構造
【研究成果の概要】
ゼオライトは一般に水熱合成法により調製されるが,近年乾燥ゲルを水蒸気雰囲気下でゼオライトへと結晶化する手法,ドライゲルコンバージョン法が開発された。本研究では,水熱法でのゼオライトの結晶化過程の解明を行うとともに,新規合成法であるドライゲルコンバージョン法での結晶化過程についても研究を行った。ゼオライトの結晶成長過程では原料各種の原子分子サイズでの挙動はもちろんのこと,ナノスケールレベルの原料種にとくに焦点をあてて研究を進めた。
まず水熱法ではMFI型ゼオライトに注目し,とくに水和ゲル存在下での結晶成長過程では,アルミノケイ酸塩の溶解度が低い条件下では数十nmの大きさのMFI結晶が凝集して1つの粒子を形成していることを明らかにした。またシリカのみで構成されるMFI,シリカライト-1では原料液中の数十nmのアモルファス粒子が固相転移して結晶となる可能性を見出した。
いっぽうドライゲルコンバージョン法では,EMT型ゼオライトの結晶化に注目したところ,数μm原料の乾燥ゲルが結晶化初期段階で一旦数nmの微粒子へと転化してから平板構造のEMTゼオライトへ結晶化が進行することを見出した。
このように合成法によらず,本報告でのゼオライトの結晶化過程ではナノスケールレベルの粒子が重要な役割を果たしている。いっぽうでMFI型ゼオライトからアルカリ処理によってサブナノサイズの構造を取り出し,これを用いてゼオライトの強い酸性質をもつメソポーラス物質の調製にも成功した。
以上,ゼオライトのナノスケールレベルの構造体に注目して結晶化成長過程を明らかにし,またこの構造体を用いて新たな触媒材料の調製への展開までが研究報告である。
【研究代表者】
【研究分担者】 |
菊地 英一 | 早稲田大学 | 理工学部 | 教授 | (Kakenデータベース) |
小倉 賢 | 日本学術振興会 | 特別研究員 |
野村 幹弘 | 早稲田大学 | 理工学部 | 助手 | (Kakenデータベース) |
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【研究種目】基盤研究(B)
【研究期間】1999 - 2002
【配分額】14,800千円 (直接経費: 14,800千円)