面構造制御ナノ金属粒子触媒の開発研究
【研究分野】触媒・化学プロセス
【研究キーワード】
表面構造効果 / ナノ粒子 / 白金 / ルテニウム / アルミナ / 逆ミセル法 / ポリオール法 / 炭素包摂ナノ粒子
【研究成果の概要】
含窒素感温性ポリマー存在下、塩化白金酸を水素で還元し、Pt(100)面を有する立方体白金粒子を70%の選択率で得ることに成功した。これをアルミナに担持し、NOとメタンの反応に用いた。500℃処理してもその特徴が残り、通常触媒と反応選択性が大きく異なることを見出した。調製方法を変えることにより、(111)表面を持つ正四面体白金ナノ粒子も開発した。このように単結晶でしか研究できなかった表面構造効果の成果を実用触媒へつなげる道を開発した。
アルミナは高温(1,100℃)では比表面積が小さい(1m^2/g)アルファ型となり、高温触媒に使えない。逆ミセル法で水のナノ粒子中にアルミニウムアルコキシドを追い込んで加水分解させる方法において、改良技術を見いだした。最終的に1,100℃焼成後、Baなしでも14m^2/gのアルファ型、Ba/Al=1/48では75m^2/gのアルファ型、Ba/Al=1/24では156m^2/gのガンマ型アルミナ、Ba/Al=1/12(量論比)では98m^2/gのバリウムヘキサアルミネートなどの高比表面積材料を得ることに成功した。
有機化合物を含むアルミナ前駆体(逆ミセル法焼成前)を不活性気体下1050-1350℃で焼成することにより、炭素でアルミナナノ粒子を包含し、ナノ粒子をいわば"凍結"することに成功した。ナノ粒子が炭素に包接され、シンタリングを防いでいる。1050-1350℃まで(バリウムを全く添加せず)アルミナがガンマ型のままの微結晶に留まる。比表面積は1050℃で35m^2/gであるが、結晶子径は4nm程度である。このものは炭素とアルミナの両方の性質を表面に残した材料としても利用できる。更にこのものを低温(500-800℃)で空気又は水蒸気処理することにより、炭素を一部又は完全に除去した高表面積(800℃で320m^2/g)ガンマアルミナを製造できた。
【研究代表者】