超小型自走機械群を用いた超高真空用表面微細構造の加工測定システムの開発
【研究分野】機械工作・生産工学
【研究キーワード】
超小型自走機械 / 超高真空 / 表面微細構造 / 加工 / 測定 / 電子デバイス
【研究成果の概要】
(1)走査型プローブ顕微鏡の超小型化と微細加工(佐々木・原):
トンネル電流型、原子間力型、近接場光型などの微細プローブを化学的加工方法により小型化を行うともにプローブ特性を調べた。さらにパルス状電圧を印加する方法、直接的な接触による機械加工あるいは介在物による表面微細加工などを試み、種々のプローブを微小加工工具として機能させることに成功した。
(2)超高真空用超小型自走機械の設計(青山・佐々木):
これまでに経験している超小型精密自走機械が大気圧中での動作を前提に設計製作されていたため、これを超高真空中での動作するように電機要素、機械要素、結合材、給電方法などを再検討した。そして、超高真空中で微細動作可能な超小型自走機械を設計し、基本特性を確認した。また実際にこの環境中で動作させ、設計した性能が得られたかどうかを実験的に測定し評価を行った。その結果、10^<-5> Torr程度の真空度の環境下で所定の性能を発揮できることを確認した。
(3)真空中における半導体デバイス表面の微細挙動の解明(村上):
超高真空容器中における各種金属材料の表面における基本的挙動を原子・分子レベルで明らかにするとともに特に試料とプローブ/工具の準接触状態での相互干渉を実験的に明らかにした。微細プローブ先端に与えるパルス放電により試料表面に微細な機械的痕跡が与えられることを電界イオン顕微鏡などを用いて明らかにした。また表面の性状も変化していることが確認されたが、どのような物理的反応が微細領域に発生したのかは確認することがてきなかった。しかしながら超小型自走機械に搭載したプローブ電極により、高真空中において微細素子の加工するシステムを完成することができた。
【研究代表者】