超高圧下におけるコア物質の結晶構造、融点、熱伝導率の測定
【研究分野】岩石・鉱物・鉱床学
【研究キーワード】
超高圧 / コア / 結晶構造 / 融点 / 熱伝導率
【研究成果の概要】
地球コアは超高圧・超高温下にあり、実験が困難であることから、コア物質の構造や物性は未だに良く理解されていない。そこで本研究は、レーザー加熱式ダイヤモンドアンビルセル(DAC)を用いた超高圧実験を行い、地球コア物質の状態図と物性をあきらかにしようとするものであった。具体的には、主に大型放射光施設スプリングエイトのX線を用いて、コア物質の結晶構造、融解曲線、電気伝導度を、コアに相当する135万気圧以上、4000ケルビン以上の超高圧・高温下で測定することを目的としていた。また今年度は、Fe-10wt%NiとFe-10wt%Siの結晶構造、純鉄の融解温度、純鉄の電気伝導度の測定を計画していた。他の課題が採択になったため、本研究は3ヶ月で廃止することになったが、本課題研究を遂行した4月から6月までの間に、スプリングエイトのビームラインBL10XUにおけるX回折実験により、Fe-10wt%Siの構造をコアに相当する超高圧・超高温下で決定した。結果はまだ予察的ではあるが、高温で、六方最密充填構造相単相から、六方最密充填構造相と体心立方構造相の混合相への変化を観察することができた。この試料について透過型電子顕微鏡による化学分析も試みたが、うまく化学組成を決定することができなかった。また、レーザー加熱DACを用いて、高圧高温下で純鉄の電気伝導度測定も試みた。その結果、電気伝導度の温度依存性につき、予察的な結果を得ることができた。
【研究代表者】
【研究分担者】 |
駒林 鉄也 | 東京工業大学 | 理工学研究科 | 助教 | (Kakenデータベース) |
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【研究種目】基盤研究(A)
【研究期間】2012
【配分額】22,360千円 (直接経費: 17,200千円、間接経費: 5,160千円)