Zn-Te系化合物半導体材料の蒸気圧-温度-組成相関図
【研究分野】金属生産工学
【研究キーワード】
ZnTe / Zn-Te2元系 / 熱力学 / 融点 / 融解熱 / 活量 / 混合熱 / Zn / Te / 状態図 / 化合物半導体 / 混合自由エネルギー
【研究成果の概要】
高温投下型熱量計を用いて,ZnTe化合物および0.75≦N_<Te>≦1.0のテルルのモル分率領域にわてる熱含量を700〜1600Kの温度範囲で測定した。得られたZnTe化合物の熱含量値に基づき,化合物の融点と融解熱が,それぞれ1565±6K,46.3kJ・mol^<-1>と決定された。本研究により導出された融点は従来の報告値と±10K以内で一致を示すが,融解熱は従来の値に比べ約18kJ・mol^<-1>小さい値を示す。
また,ZnTe化合物の生成熱を,示差型熱量計により800Kにおいて直接測定した。その結果298.15KにおけるZnTe化合物の標準生成熱は,-119±4kJ・mol^<-1>と決定された。本研究により決定されたZnTe化合物の標準生成熱は従来の報告値と±10kJ・mol^<-1>以内で一致を示す。
本研究により導出されたZnTe化合物の生成熱と熱含量およびZn・Te2元系の熱含量値に熱力学解析法の適用し,1300KにおけるZn-Te2元系の積分混合自由エネルギ,積分混合熱,積分混合エントロピの導出を試みた。Zn-Te系の混合熱は純粋テルル側で僅かに吸熱を示し,亜鉛濃度の増加に伴い発熱を示す。また,導出された積分混合自由エネルギよりZn-Te2元系の成分活量を算出した。亜鉛の活量は純粋テルル側でラウル則に比べ僅かに正偏倚を示し,融体中の亜鉛濃度の増加に伴い負に偏倚する。また,テルルの活量は測定全組成範囲にわたり負偏倚を示す。
【研究代表者】
【研究種目】奨励研究(A)
【研究期間】2000 - 2001
【配分額】2,400千円 (直接経費: 2,400千円)