極限環境下における溶接用知能ロボットの開発に関する研究
【研究分野】溶接工学
【研究キーワード】
極限環境 / アーク溶接 / 溶接ロボット / 視覚センサ / ファジィ制御 / 知能ロボット / 溶接線追従 / 光切断法 / ファジイ制御 / 溶接線の自動追従 / CCDカメラ / 画像処理 / 自動溶接
【研究成果の概要】
極限環境下における溶接の自動化を指向して、視覚センサおよびアークセンサを有する各種溶接ロボットを試作し、安定した溶接線の追従および自動溶接を実現するために、ロボットの視覚システムとその知能化について検討を加えた。
本研究によって得られた結果は、以下のようにまとめられる。
1)高圧下における安定した溶接を実現するために、アーク長のファジイ制御について検討を行い、適正なパラメータの設定が行われれば、高圧下においても安定したアーク長制御を実現できること、またその設定が容易なことを示した。
2)3軸直行型溶接ロボットを試作し、各種素材、溶接継手形状の溶接線の視覚認識に及ぼす影響について検討を行い、適正な照明と最適な画像処理法とを組み合わせれば、安定した溶接線追従が可能なことを示した。
3)1取得画像中に複数の輝度検出走査線を設定し、複数の連続した追従ベクトルを生成して溶接線を追従する高精度でかつロバスト性に優れた溶接線追従制御法(連続複数ベクトル連結法:CMVC法)を提案し、その有効性を示した。
4)極限環境を想定し、パイプ上を自律的に走行し、パイプの突合せ部あるいはT字パイプ継手部を検出し、それが溶接線であることを確認した上で、自動的に溶接線を追従しつつ溶接を行う自律走行型パイプ溶接用知能ロボットを開発し、その機能および有効性を確認した。
5)レーザスリット光を用いた光切断法による溶接継手形状の認識について検討を行い、その有効性を示した。また、アーク光の反射による誤動作を防止するための手法について検討し、いくつかの手法を提案した。
6)視覚システムのロバスト性を向上するために、従来の視覚とは全く異なる人工知能を適用した人間の目に近いシステムの構築を試み、その有効性とその将来性を明らかにした。
【研究代表者】
【研究種目】一般研究(C)
【研究期間】1992 - 1993
【配分額】1,700千円 (直接経費: 1,700千円)