マルチパスバイオマス水素化システムの学理構築と実証
【研究分野】熱工学
【研究キーワード】
バイオマス / ガス化 / セルロース / リグニン / 実バイオマス / メタノール / 低中温廃熱 / メンブレンリアクター / キシラン
【研究成果の概要】
本研究では、バイオマス大量導入と低中温産業廃熱の高質化・高度利用を同時に実現しなおかつ、用途に合わせて水素、メタノール、DMEといった多種の燃料製造を可能とする全く新規な多目的バイオマスガス化技術実現のため、その学理構築とシステム実現可能性を実証することを目的とする。研究代表者らの過去の研究によるバイオマス水素リッチガス化の課題は、ガス化により製造された水素の輸送・貯蔵であったが、ガス化システムによる生成ガスのH_2:COの調整により、これらの合成で得られるメタノールやDMEの形態で容易に輸送・貯蔵し、消費地に俯存する低中温廃熱により水素に改質することで、バイオマス水素リッチガス化の課題を解決するのみならず、低中温廃熱の高質化・高度利用、中間生成物としてのメタノール・DME供給という、従来独立に検討されてきた個々のシステム概念を高度に包含した新たなシステム概念の提示となる。
研究では、初年度は、まず多目的ガス化の検証を可能とする実験系の構築を行い、1次元層流ガス化炉、加圧下での高速昇温が可能なイメージ炉を用いたシステムを構築し、基礎的なデータ取得準備に入った。次年度は、モデルバイオマス、ならびに一部実バイオマスについて、その熱分解特性を実験的に検討を行っている。また、低質廃熱の高質化再利用とのドッキングが期待できる炭化水素系燃料の水蒸気改質について諸特性を明らかにしている。さらに最終年度には、実バイオマス試料についてのガス化データ取得を完了し、実システムへの適用を意識したデータベース構築を行った。炭化水素系燃料の水蒸気改質についても引き続きデータベース構築を行い、さらに、システム解析を行うことで、このようなシステムの特性を明らかにし、本研究課題を完了している。
【研究代表者】
【研究分担者】 |
伏信 一慶 | 東京工業大学 | 大学院・理工学研究科 | 助教授 | (Kakenデータベース) |
野崎 智洋 | 東京工業大学 | 大学院・理工学研究科 | 助手 | (Kakenデータベース) |
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【研究種目】基盤研究(A)
【研究期間】2003 - 2005
【配分額】48,490千円 (直接経費: 37,300千円、間接経費: 11,190千円)