基板面外駆動マイクロアクチュエータの試作研究
【研究分野】知能機械学・機械システム
【研究キーワード】
MEMS / 微細加工 / 薄膜 / アモルファス / 金属ガラス / 静電アクチュエータ / 情報機器 / 光ピックアップ / 光磁気ディスク / 情報機 / 物性
【研究成果の概要】
1.研究目的
薄膜金属ガラスを用いて,基板面外に駆動可能な新しいマイクロアクチュエータ(基板面外駆動マイクロアクチュエータ)を試作するために,以下の検討を行うことを目的とした.
(1)新しい基板面外駆動マイクロアクチュエータの考案.
(2)精度の高い立体的構造を有する基板面外駆動マイクロアクチュエータの製作方法の検討.
(3)試作した基板面外駆動マイクロアクチュエータの変位特性,応答性の評価と光ピックアップヘの展開を念頭においた特性評価.
2.研究成果
これまでの薄膜金属ガラスの微細加工,微細成形技術をもとに,新しい基板面外駆動マイクロアクチュエータとして,マイクロレンズアクチュエータ(MA : Micro Lens Actuator)を考案,試作した.測定した性能を以下に示す.(括弧内は仕様値)
(1)ストローク:0.85μm(1μm)
(2)駆動対象物:質量0.89mg,直径1mmのガラスダミーレンズ (質量1.5mg直径1mmガラスレンズ)
(3)傾き誤差:0.02°(0.8°以下)
(4)応答周波数:3.54kHz,(1kHz以上)
(5)耐衝撃性:800G以上
(6)駆動電圧:50V
以上より,ストロークが若干仕様に対して不足しているものの,ほぼ仕様を満たすマイクロアクチュエータを実現することができた.
3.今後の課題
今後の課題として,試作したMAを,次世代の高記録密度MOの光ピックアップとして製品化するための生産性,工程の検討を行う必要がある.さらに,ストロークの増大と駆動電圧の低減をはかる.
【研究代表者】
【研究分担者】 |
市原 順一 | 株式会社富士通研究所 | Mプロジェクト | 主幹研究員 |
下河辺 明 | 東京工業大学 | 精密工学研究所 | 教授 | (Kakenデータベース) |
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【研究種目】基盤研究(B)
【研究期間】2001 - 2002
【配分額】13,500千円 (直接経費: 13,500千円)