非点収差方式による超音波変位計測法の開発
【研究分野】機械工作・生産工学
【研究キーワード】
計測 / 超音波 / 変位計測 / 非点収差法 / ハーフミラー / in-process measurement
【研究成果の概要】
機械加工における工作物の寸法精度を高めるためには、加工中における工作物の寸法をインプロセスで測定することが最も望ましい方法である。非接触での工作物の外径測定に関しては、いくつかの光学的測定法開発の報告があるが、切削液や研削液を使用しての実際の機械加工中における光学的方法による測定は困難である。このような観点から、インプロセスでの工作物寸法測定に、液体中における測定に適している超音波を利用することが考えられる。従来の超音波変位計測は、発射した超音波が測定対象面で反射され、受信子に戻るまでの時間間隔を計測する方式にもとづいている。時間計測を行っていることから、変位計測の分解能は2〜3μm程度に止まっており、寸法計測のためにはやや精度不足である。このため、本研究では超音波変位計測の測定精度を高めるための新たな手法について研究開発を行った。
提案した非点収差方式を導入した超音波変位計測法は、従来の時間計測にもとづく方式とは原理を異にする新しい超音波変位計測手法である。超音波対物レンズと被測定面の間の距離の変化を、円筒超音波レンズを用いて受信子受音面における音圧分布の形状変化に変換し、4分割型超音波受信子でこれを測定することにより求める。本研究の実施により、以下のような結果を得た。
1)計算機シミュレーションを行い、超音波対物レンズ、超音波円筒レンズの焦点距離などの各種パラメータと、測定感度の関連を明らかにした。
試作した超音波変位計測実験装置を用いて実験を行い、変位-出力特性曲線を得た。これにより本測定法が超音波変位計測手法として有効なことを明らかにした。
本測定系の最も重要な構成要素である超音波用ハーフミラーについて検討し、理論及び実験により、現状での最適なハーフミラー材質を明らかにした.
【研究代表者】
【研究分担者】 |
塚本 穎彦 | 三菱重工業(株) | 技術本部・広島研究所 | 次長 |
塚本 頴彦 | 三菱重工業(株) | 技術本部・広島研究所 | 次長(研究職/">(Kakenデータベース) |
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【研究種目】基盤研究(A)
【研究期間】1996 - 1997
【配分額】10,000千円 (直接経費: 10,000千円)