ナノCMMレーザトラッピングプローブの試作開発
【研究分野】機械工作・生産工学
【研究キーワード】
ナノCMM / マイクロパーツ / 大気中レーザトラッピング / 位置検出プローブ / 光放射圧 / Linnik干渉計 / 3次元位置座標 / 微粒子 / マイクロパ-ツ / レーザトラッピング / Mirau干渉計
【研究成果の概要】
本研究は,レーザトラッピング技術によって捕捉されたマイクロメートルオーダの微小プローブ球によって3次元位置座標をナノメートルオーダの精度で検出できるレーザトラッピング座標検出プローブの試作・開発を行うことを目的としており,その主要な成果は以下のように要約される.
1. 独自に開発した3次元光線追跡法と光放射圧理論を用いたレーザトラッピングプローブ力学的挙動解析シミュレータによって,水中および大気中における微粒子のトラップ力,外力の作用とプローブ球変位の関係などを解析し,トラッピングの光学的条件および位置座標検出時の力学的挙動を明かにした.
2. 集光Arレーザを用いて,LCD用高精度スペーサシリカ粒子(直径5〜8μm)の水中における3次元トラップを実現した.さらに,トラツプされたプローブ球の微小変位をHe-Neレーザを光源とするMirau干渉計によって検出する位置検出原理を確立し、レーザトラッピングプローブによってナノメータオーダの位置検出精度が実現できる可能性を実験的に示した.
3. 最大出力15WのQ-switchYAGレーザ(波長1064nm)を用いたレーザトラッピング光学系を構築し,スペーサシリカ粒子(直径8μm)の大気中3次元レーザトラッピングを実現した.さらに,プローブ球の微小変位を高感度に検出するリニーク干渉計,ナノブロックステージ(最小移動量5nm)を組込んだ大気中レーザトラッピング・プローブ測定システムを用いた基礎実験から,大気中における非接触位置座標検出原理を見いだした.
4. 大気中レーザトラッピングプローブの非接触位置座標検出原理に基づいて,微小形状測定実験を行った.試料としてNISTトレーサブルなガラス球(粒径約160μm)を用いて,レーザトラッピングプローブによる3次元位置座標測定を試みた結果,本技術の有効性が検証された.
【研究代表者】
【研究分担者】 |
大杉 幸久 | 日本碍子(株) | 研究本部 | 研究員 |
幸田 盛堂 | 大阪機工(株) | 技術本部 | 主任研究員 |
高橋 哲 | 大阪大学 | 大学院・工学研究科 | 助手 | (Kakenデータベース) |
高谷 裕浩 | 大阪大学 | 大学院・工学研究科 | 助教授 | (Kakenデータベース) |
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【研究種目】基盤研究(B)
【研究期間】1997 - 1998
【配分額】10,300千円 (直接経費: 10,300千円)