固体表面における高感度スピン検出法の開発と遷移金属酸化物への応用
【研究分野】薄膜・表面界面物性
【研究キーワード】
固体表面 / スピン / 水素 / 電子状態 / 偏極 / 酸化物 / 表面 / 金属酸化物 / 表面磁性 / スピン転換・緩和 / スピン偏極
【研究成果の概要】
本研究では,スピン偏極水素原子・水素分子線の開発を行い,固体表面での吸着・散乱にともなうスピン状態変化をレーザー分光法を用いて観測するあらたな実験手法の開発を行った.これを用いて,固体表面での化学吸着状態における水素分子の核スピン転換速度を求め,スピン転換と回転緩和機構の解明を行った.遷移金属酸化物表面における水素誘起電子状態を調べ,水素―表面間の電荷移動に起因する局在状態と非局在状態が存在することを明らかにした.
【研究の社会的意義】
固体表面は,新規電子・磁気デバイスや触媒機能発現の場として重要な役割を担う.デバイスや化学的機能性は,表面における吸着分子や表面の電子・スピン状態に大きく左右される.しかし固体表面のスピン状態やスピンダイナミクスを観測できる手法が限られているため未解明の点が多い.本研究では,表面のスピン状態を高感度に測定するためのスピン偏極水素原子・分子線の開発を行い,水素のスピンダイナミクスと種々の機能性を有する遷移金属酸化物表面の電子・スピン状態を明らかにした.
【研究代表者】
【研究分担者】 |
Dino Wilson | 大阪大学 | 工学研究科 | 准教授 | (Kakenデータベース) |
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【研究種目】基盤研究(A)
【研究期間】2017-04-01 - 2021-03-31
【配分額】43,160千円 (直接経費: 33,200千円、間接経費: 9,960千円)