0電界アシストによる欠陥制御セラミックス異種界面におけるCO_2分子の活性化
【研究分野】工業物理化学
【研究キーワード】
ヘテロ接触 / 二酸化炭素 / 一酸化炭素 / 触媒 / 電界 / センサー / 格子欠陥 / 酸化銅 / 銅ペロブスカイト / 還元反応 / 格子ひずみ
【研究成果の概要】
本研究においては機能性セラミックス異物質界面を触媒として利用してCO2を活性化し、CO2を有効利用が可能な分子に変換するための基礎資料を得ることを目的とする。炭酸ガス(CO2)を活性化するにあたっては、それに適した機能界面を設計しなければならない。センサーと触媒は表裏一体であることからCO2センサーとして優れた界面はCO2変換触媒としての性能を発揮するはずである。そのことを念頭におき、本研究は3つのパートに分けられる。まずCO2の関与する機能界面を探索する目的で、CO2感度を有するガスセンサーの探索・評価を行なった。酸化銅セラミックスを作製過程で急冷操作を行ったりアルカリ金属添加などにより単位格子をひずませることでCOおよびCO2ガスに対して活性な界面を得ることができた。次章では機能界面を実際に触媒として応用し、界面に電界を印加してその反応速度に対する印加電界の効果を論じた。CuO-ZnO界面に直流バイアスを印加することで一酸化炭素の酸化反応速度が制御されることが明らかとなり、逆バイアス印加で反応促進、順バイアス印加で抑制されることが明らかとなった。この現象は、CuO表面のフェルミ準位の変動による、表面吸着酸素上の有効負電荷量の変動によるものであると推測された。第3章では本研究遂行の過程で付加的に見いだされたZnO-ZnO単結晶ホモ界面における負性抵抗効果につき論じた。単結晶同士の界面でバリスタ特性発現のための添加物なしで大きな非直線電流電圧特性が得られることを確認した。この系は極微小領域に電界が集中する界面であり、高電界効果が触媒活性に与える影響を考察する上での一つの基礎資料となった。
【研究代表者】
【研究種目】萌芽的研究
【研究期間】1996 - 1997
【配分額】1,900千円 (直接経費: 1,900千円)