電磁駆動法によるレオロジー顕微鏡の開発
【研究キーワード】
レオロジー / 電磁駆動 / 粘弾性 / 顕微測定 / 特殊環境 / 電磁駆動式 / 遠隔測定 / 非接触測定 / 局所粘弾性
【研究成果の概要】
本研究ではソフトマテリアルの粘弾性測定の空間分解能をマイクロメートル域にまで向上させ、かつその分布を2次元的にとらえることができるレオロジー顕微鏡を作製する。このシステムでは独自に開発した電磁駆動回転方式の粘弾性測定手法を微小回転プローブに適用することにより空間分解能をこれまでに比して飛躍的に向上させる。この手法は試料中に配置した球状のプローブに遠隔にトルクを印加し、これに対する運動から非接触で粘性を決定できるという他の力学物性測定装置にはない特徴を有している。この技術と顕微画像解析手法とを組み合わせてソフトマテリアル内部の複数の微小プローブの運動を観察し、レオロジー的な性質の分布を画像として取得する。最終的には安価で簡便な汎用レオロジー観察装置として市場に供給することを目標とする。本年度は実際に粘性が経時変化する試料について、粘性変化を長時間にわたって連続モニタリングすることを試みた。例えば液体中に収容された固体状の物質が溶解することにより溶液の濃度が大きくなっていく場合などでは、容器の底部に接触した回転子にはその接触部に溶質が析出することにより滑らかな回転を阻害する恐れがある。このため回転子を浮力により試料内に浮上させ、溶液中に回転子と容器の接点を持たない新しい形状の回転子を開発した。この回転子により、ショ糖が水に溶解してゆく様子をモニタリングし、20日間にわたってショ糖濃度の増加により徐々に粘性が増加してゆく様子を連続して観察することに成功した。さらにこれまでは画像から読み取っていたプローブの回転を、磁場変化から読み取る新しい技術の開発に着手した。
【研究代表者】
【研究種目】基盤研究(B)
【研究期間】2018-04-01 - 2022-03-31
【配分額】16,510千円 (直接経費: 12,700千円、間接経費: 3,810千円)