半導体微結晶を用いた三次光学非線形素子の研究
【研究分野】応用光学・量子光工学
【研究キーワード】
三次非線形光学効果 / 半導体微結晶 / 半導体ドープガラス / 共鳴波長 / 光電子相互作用 / 光共振器 / 光スイッチ / 非線形方向性結合器 / 半導体微粒子 / 光スイッチング
【研究成果の概要】
本研究の目的は、半導体CdS_xSe_<1-x>微結晶における光と電子の相互作用による三次光学非線形効果の増大機構を解明することと、これを光機能素子に応用してその有用性を実証することである。
共鳴波長に近い励起光源で発生した非線形光学効果を、共鳴領域から離れた波長の信号光で利用することによって、光吸収の小さい波長域で大きな屈折率変化を得る点に研究の特徴がある。これにより、素子設計の自由度も高くなる。この効果を利用するためには、まず励起光とは異なる波長で生ずる三次非線形光学効果を明確にする必要がある。研究内容と得られ成果を次にまとめる。
1.半導体微粒子の三次光学非線形係数の定式化
ガラス母材中にCdS_xSe_<1-x>半導体微結晶が分散した材料(半導体ドープガラス)について、三次光学非線形係数を決定するモデルを構築し、非線形屈折率係数ならびに非線形吸収係数の定式化を行った。
2.光制御形光スイッチング素子の設計
モデリングを行った三次光学非線形係数に基づき、ブラッグ反射形の光制御形光スイッチならびに非線形方向性結合器を設計した。設計したデバイスの特徴は、信号光とは異なる波長の光を制御光として用いることで、信号光と同じ波長の制御光で制御する場合に比べてスイッチングに必要な光パワーが低減できることである。
【研究代表者】