マスク蒸着法による自己組織化単分子層トランジスタに関する研究
【研究分野】マイクロ・ナノデバイス
【研究キーワード】
自己組織化 / 単分子膜 / 負性微分コンダクタンス / コンダクタンススイッチング / 分子ナノデバイス / 走査型プローブ / SAM / シャドウマスク / 電界効果トランジスタ / 変位電流 / トンネル電流 / FET
【研究成果の概要】
本研究では、自己組織化単分子層(Self-assembled monolayer,SAM)を用いた横型電界効果トランジスタ(Field Effect Transistor, FET)の作製プロセスを確立することを第一の目的とする。さらに、再現性のあるSAM-FETのトランジスタ特性を測定することにより、単一分子層をチャンネルとして有するFETの基本動作原理とトランジスタ性能を実験的に明らかにすることを第二の目的とする。電子線露光装置(現有設備)を用いて作製したエアブリッジ構造を作製し、これをシャドウマスクとして利用した斜め蒸着手法および自己組織化膜(Self Assembled Monolayer,SAM)形成技術を用い自己組織化単分子層トランジスタを作製した。SAMとしてニトロオリゴフェニレンエチニレン(ニトロOPE)を使用した金/ニトロOPE SAM/金構造を有する素子を作製し、素子の電気的特性を半導体パラメータアナライザを用いて測定したところ、電流-電圧特性から負性微分コンダクタンス(Negative Differential Conductance,NDC)特性、電流の時間依存性からコンダクタンススイッチング現象といったニトロOPE分子に起因した機能を観察した。また、電流の時間依存性を解析することによりNDC特性とコンダクタンススイッチング現象が同時に起こることを発見し、加えてコンダクタンススイッチングが時間に依存し、NDCが印加電圧に依存していることからもそれぞれのスイッチングメカニズムが異なる機構によって起こっていることを見出した。さらに、ニトロOPE分子とアルカンチオールの混合自己組織化単分子膜におけるニトロOPE分子のスイッチング現象を走査型トンネル顕微鏡により観察したところ、素子におけるスイッチング現象が配向変化に起因している可能性が高いことを明らかにした。
【研究代表者】
【研究分担者】 |
宮本 恭幸 | 東京工業大学 | 大学院・理工学研究科 | 助教授 | (Kakenデータベース) |
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【研究種目】基盤研究(B)
【研究期間】2003 - 2005
【配分額】13,500千円 (直接経費: 13,500千円)