イオン・ドーピングによるペプチド結晶エレクトロニクスの創出
【研究キーワード】
生体材料 / ペプチド / 自己組織化 / 自己組織化ペプチド / 結晶 / ラマン分光 / X線構造解析 / ペプチド結晶 / ドーピング
【研究成果の概要】
本研究では、ペプチドのアミノ酸数は4つに固定し、テトラペプチドのアミノ酸配列による結晶化機構の違いを検討した。結晶化プレートを用いた蒸気拡散法によるペプチド結晶化を行なった。水やアルコールを溶媒として得られた結晶の単結晶構造解析を行い、各ペプチドの結晶構造を得た。その結果、どのペプチドもアミド骨格が織りなす水素結合ネットワークを主としたベータシート状の構造を取ることが分かった。X線構造解析やラマン分光から配列に使用するアミノ酸の特性(疎水性、電荷性、芳香属性)などにより結晶の構造および金属イオンやハロゲン化物イオンとの相互作用に違いが見られた。
【研究の社会的意義】
これまでアミノ酸などの低分子化合物によって検討されていた分子性結晶内の分子間相互作用が、本研究での発見によりペプチド結晶でも分子間相互作用の検討が可能であることがわかった。近年のジペプチドを用いた機能性結晶開発の進展に対して、本研究ではアミノ酸4つからなるテトラペプチドを用いて結晶化および物性評価をおこなったことにより、アミノ酸配列によって結晶成長のメカニズムに大きな違いが出るだけでなく、その結晶構造とそれに起因した光学特性や電子物性に大きな違いが見出されることが明らかとなった。機能性ペプチド結晶の創生に向けて基礎となる知見が得られたと考える。
【研究代表者】
【研究種目】挑戦的研究(萌芽)
【研究期間】2020-07-30 - 2022-03-31
【配分額】6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)