狩猟採集社会から農耕社会への移行期における人口構造の解明
【研究分野】文化財科学・博物館学
【研究キーワード】
縄文 / 弥生 / 出生率 / 寿命 / 離乳年齢 / 安定同位体分析 / 妊娠出産痕 / 古人骨 / 離乳時期 / 縄文時代 / 弥生時代 / 年齢推定 / コラーゲン / 縄文人骨 / 炭素窒素同位体 / 人口構造 / 縄文人 / 炭素窒素安定同位体
【研究成果の概要】
縄文(北海道,東北,関東,中部,中国地方),渡来系弥生(山口,九州)遺跡出土の古人骨を調査し,人口構造(寿命,出生率)を復元した。その結果,縄文集団では出生率が高く短命,渡来系弥生集団では出生率が低く長寿であることがわかった。今後九州の縄文集団や本州の渡来系弥生集団の調査が必要である。
縄文(中部地方)、在地系、渡来系弥生(九州)遺跡出土の小児古人骨に安定同位体分析を行い、離乳年齢を推定した。その結果、縄文集団では離乳が終了する年齢が3歳6ヶ月、在地系および渡来系の弥生集団ではデータのばらつきが大きく正確な年齢が推定できなかった。後者では、複数遺跡のデータを解析していることが原因と考えられる。
【研究の社会的意義】
本研究は,人骨そのものの分析によって,先史集団の人口構造を復元する初めての研究であり,人口構造のより直接的な復元が実現された。出生率と離乳時期を同時に推定する本研究によって,先史時代の女性のライフサイクルの復元への道が拓かれた。狩猟採集社会から食糧生産社会への変化は全人類的に起こり,現代社会の諸問題の根源にある人口増加と富の蓄積がその時起こったと推察されている。しかし本研究により,少なくとも日本列島においては,農耕社会において出生率の増加は見られなかった可能性が示唆され,食糧生産社会成立時の人口増加モデルに再考を促すことになった。
【研究代表者】
【研究分担者】 |
米田 穣 | 東京大学 | 総合研究博物館 | 教授 | (Kakenデータベース) |
澤藤 匠 (蔦谷匠 | 蔦谷 匠) | 国立研究開発法人海洋研究開発機構 | 海洋機能利用部門(生物地球化学プログラム) | ポストドクトラル研究員 | (Kakenデータベース) |
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【研究種目】基盤研究(C)
【研究期間】2015-04-01 - 2020-03-31
【配分額】4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)