牧畜社会におけるエスニシティとエコロジーの相関
【研究分野】文化人類学・民俗学
【研究キーワード】
牧畜 / エスニシティ / エコロジー / 集団観 / 共生 / 共存
【研究成果の概要】
我々は、人間集団同士のエスニックな関係と、人間と自然のエコロジカルな関係とが、牧畜社会においていかに規定しあっているかを、人類学と歴史学的な側面から考察し、以下の成果を上げた。
(1)科研チーム2020「特集 牧畜社会における集団観の時空間分析」『地域研究』Vol.20 No.1:1-152。(2)シンジルト著2021『オイラトの民族誌』明石書店。(3)シンジルト・地田徹朗編2021『牧畜を人文学する』名古屋外国語大学出版会。(4)シンジルト編2022『目でみる牧畜世界』風響社。
【研究の社会的意義】
本科研は、学術的に、まずユーラシアやアフリカの牧畜社会の現状と歴史に関する体系的な理解を促進できた(「特集 牧畜社会における集団観の時空間分析」)。それから牧畜社会における人人関係と人獣関係がいかにお互いに影響しあっているのかを露わにし、エスニシティ研究とエコロジー研究の統合を達成できた(『オイラトの民族誌』)。
また、社会貢献として、本科研の成果の一つである『牧畜を人文学する』は高校生にも読めるわかりやすさを目指した日本初の牧畜の教科書になろう。さらには牧畜民とその家畜や社会文化を写真376点で活写した映像ドキュメンタリー『目でみる牧畜世界』によって、多くの人が目を通して牧畜世界を体験できた。
【研究代表者】