SPring-8のマイクロCTを利用した福井洞窟出土縄文草創期焼骨群の種同定
【研究キーワード】
SPring-8 / マイクロCT / 福井洞窟 / 微小焼骨片 / 骨組織形態学的種同定 / 非破壊分析 / 更新世末期 / 縄文時代草創期 / CT / 旧石器時代終末期 / 福井洞穴 / Spring-8 / 種同定 / 高分解能マイクロCT / 骨微細構造
【研究成果の概要】
大型放射光施設「SPring-8」の高精細マイクロCTを利用して、長崎県佐世保市福井洞窟から出土した更新世末期の焼骨小片を対象に、非破壊的な組織形態解析による動物種の同定を試みた。その結果、1)福井洞窟出土焼骨はイノシシやニホンジカなどの中型陸生哺乳類である可能性が高い、2)ナウマンゾウやヤベオオツノジカといった大型動物やヒトは含まれていない、などを明らかにした。本研究の結果は、縄文時代に盛行する中型哺乳類狩猟が更新世末期に開始されていたことを示唆するものである。
【研究の社会的意義】
国指定史跡である福井洞窟から出土した更新世末期の焼骨小片について、これらがイノシシやニホンジカなどの中型陸生哺乳類である可能性が高いことを明らかにし、当時の人々の狩猟活動を探る上で重要な知見を提供した。本研究は、大型放射光施設「SPring-8」の高精細マイクロCTを利用することで、貴重な骨資料を破壊せずに組織形態学的種同定を実施できることを示し、文化財資料の保護と活用に有益な新たな方法を提示した。
【研究代表者】
【研究分担者】 |
米田 穣 | 東京大学 | 総合研究博物館 | 教授 | (Kakenデータベース) |
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【研究種目】挑戦的研究(萌芽)
【研究期間】2018-06-29 - 2022-03-31
【配分額】6,240千円 (直接経費: 4,800千円、間接経費: 1,440千円)