東北アジアにおける温帯性新石器文化の北方拡大と適応の限界
【研究キーワード】
新石器/縄文時代 / ロシア極東 / 北海道 / 環境適応 / 国際学術交流 / 日本列島 / 新石器時代
【研究成果の概要】
本研究では、日露両国での新石器/縄文時代遺跡群の共同調査を通じて、環日本海北部(スレドネアムールスカヤ低地帯-アムール下流域-サハリンー北海道)の北緯45~50度地帯における新石器時代の文化交流や適応戦略を包括的に解明した。サハリン南部の新石器時代前期、ユダヤ自治州西部の新石器時代中期・晩期、北海道北部の縄文中期~晩期に関する新事実が、遺跡発掘調査によって明らかにされた。また、東西及び南北方向で遠隔地に住む集団が接触し、大きな文化的影響が起こったにも関わらず、各地で地域生態系に適した生活システムが維持されたプロセスが、放射性炭素年代を伴う高精度編年にもとづいて長期的に復元された。
【研究の社会的意義】
大河アムールを介して集団や文物が東西往来するという従来型の史観を超えて、環境適応論の立場から南北軸の動きを調べることにより、環日本海北部における新石器文化群の共通性と多様性を複線的に捉えることができた。また、日露間の国境線を超えて日本列島北辺域の先史文化変遷の一端を解明することができた。日露両国の遺跡調査が行き届いていなかった地域において共同発掘調査を実施することで、新たな考古学的事実を追加し、各地における歴史文化遺産の保護活用に貢献することができた。
【研究代表者】
【研究分担者】 |
江田 真毅 | 北海道大学 | 総合博物館 | 准教授 | (Kakenデータベース) |
|
【研究種目】基盤研究(B)
【研究期間】2018-04-01 - 2022-03-31
【配分額】17,290千円 (直接経費: 13,300千円、間接経費: 3,990千円)