細胞マイクロ操作による受精・細胞分裂における細胞運動の研究
【研究分野】動物発生・生理学
【研究キーワード】
表層粒崩壊 / マイクロ操作 / 核運動 / 染色体運動 / DNA合成阻害剤 / チューブリン / 単クローン抗体 / 分裂装置 / イトマキヒトデ卵 / ウニ卵 / ヒストン / 細胞 / 受精 / 細胞分裂 / 卵
【研究成果の概要】
1.ウニ卵が受精するときの表層粒崩壊の過程を毎秒200駒の高速ビデオ装置によって解析した。表層粒はまず直径が増し次いで除々に見えなくなった。表層粒に変化が表れ始めて内容物の放出が完了するまでの時間は、受精時、卵内への高Caイオン濃度のCa緩衝液の注射時、単離表層への高濃度Ca溶液の還流時、いずれも30ー40msecであった。
2.仔牛胸腺ヒストンを蛍光ラベルしてイトマキヒトデ卵に注射してから、卵成熟を誘起し受精したところ、減数分裂、卵割時の染色体が可視化できた。これを利用して、DNA合成阻害剤によるDNA複製阻害中の細胞分裂における染色体運動を観察したところ、染色体は赤道面に並んで中期までは正常に進行するが、赤道面から移動せずに卵割が行われ、後期以降に異常がみられた。このことは、チューブリンとDNAの二重染色実験によってもはっきりとした。分裂装置は正常にできるが後期以降に染色体が動かないままの紡錘体が残り星状体のみ成長した。また、第二卵割以降には、染色体、紡錘体がなくて星状体のみの分裂装置ができ卵割が進行した。
3.ウニ卵受精時の卵前核の移動は微小管に依存する細胞運動である。卵前核と精子星状体の間の微小管をマイクロ操作によって切断すると、核は一旦止まるがすぐに動き出す。また、精子星状体の中心部を吸い取っても運動に影響がなかった。
4.ウニ卵の第一卵割各期にチューブリンに対する単クローン抗体を用いた間接蛍光抗体法により分裂装置の微小管を観察した。染色体の観察は微分干渉顕微鏡で行い有糸分裂の時期を定めた。単クローン抗体は分裂装置全体微の小管を染色するもの、全体を全く染色しないもの、紡錘体のみを染色するもの、星状体のみを染色するものに4つのグループに分かれた。
【研究代表者】
【研究種目】一般研究(C)
【研究期間】1987 - 1988
【配分額】2,000千円 (直接経費: 2,000千円)