受精における精子機能調節の分子機構の解析
【研究分野】動物生理・行動
【研究キーワード】
受精 / 精子運動 / 受精能獲得 / 精子走化性 / カルシウムポンプ / カルシウムチャネル / 精子 / シグナル伝達 / カルシウム / 精嚢分泌タンパク質 / CatSper
【研究成果の概要】
精子機能調節の分子機構の理解を最終目標とし、下記の研究を行った。
精子の受精能制御:マウス精嚢分泌タンパク質SVS2はin vivoでの受精には必須な因子である。本研究において,SVS2をはじめとした精漿タンパク質は協調してマウス精子の受精能および運動の超活性化を抑制すること,ヒトSEMG1も同様の作用を持つことが明らかとなった。
Ca2+による精子運動の調節:哺乳類において精子運動を制御するCa2+チャネルCatSperは,尾索動物であるカタユウレイボヤにおいても精子運動調節に関与していた。また,精子走化性には細胞膜型Ca2+ポンプが誘引物質受容体として働いている事が解った。
【研究の社会的意義】
本研究は受精成立機構の解明に関わるという性格上、基礎生物学的な成果に留まらず、男性不妊の治療技術や、新たな家畜繁殖技術の開発・改善に寄与するシーズとして発展応用が期待できる。
また、本研究で解析したSVS2は,普遍的に細胞のコレステロール量を調節する試薬として、また、PMCAは細胞内カルシウム濃度を調節するカルシウム拮抗薬としての機能を持ち,創薬のシーズとして発展応用されることが期待できる。
【研究代表者】
【研究分担者】 |
黒川 大輔 | 東京大学 | 大学院理学系研究科(理学部) | 助教 | (Kakenデータベース) |
吉田 薫 | 桐蔭横浜大学 | 医用工学部 | 准教授 | (Kakenデータベース) |
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【研究種目】基盤研究(B)
【研究期間】2015-04-01 - 2018-03-31
【配分額】18,070千円 (直接経費: 13,900千円、間接経費: 4,170千円)