スーパージーンが制御する擬態紋様形成機構の解明
【研究分野】進化生物学
【研究キーワード】
スーパージーン / 進化遺伝 / ベイツ型擬態 / シロオビアゲハ / ナガサキアゲハ / 比較ゲノム / 逆位 / 紋様形成 / 超遺伝子 / supergene / doublesex / ゲノム再編成 / 擬態紋様形成 / superegne / 進化 / 昆虫 / ゲノム / アゲハ蝶 / 擬態 / 進化生物学
【研究成果の概要】
複雑な適応形質を制御する染色体上の隣接遺伝子群「スーパージーン」の分子的実体を他に先駆けて示した。具体的には、シロオビアゲハと近縁種ナガサキアゲハの擬態を制御するスーパージーンの構造と機能を明らかにした。前者では染色体逆位、後者では構造多様性により組換えが抑制され、両種の擬態遺伝子座は平行進化で進化した可能性が示された。また、両種の擬態形質はスーパージーン内のdsx遺伝子により主に制御されることが示された。
【研究の社会的意義】
スーパージーンの概念は約100年前から提唱されているが、その実態は知られてこなかった。本研究では、スーパージーンを同定する新規手法を確立し、逆位を持たない予想外のスーパージーン、2種のアゲハの擬態の平行進化、dsx遺伝子の擬態形質の制御機構を他に先んじて明らかにした。本成果は、スーパージーンの新たなメカニズムを呈示した意味で画期的で、遺伝学、進化学、生態学などの学術分野に大きな影響を与える可能性が高い。
【研究代表者】
【研究種目】基盤研究(S)
【研究期間】2015-05-29 - 2020-03-31
【配分額】199,940千円 (直接経費: 153,800千円、間接経費: 46,140千円)