英国ルネサンス期における女性の創作活動の多様性と意義
【研究キーワード】
英国ルネサンス期文学・文化 / シェイクスピア / 女性作家 / 演劇上演 / 翻訳 / 散文ロマンス / 演劇 / 英国ルネサンス期 / 多様性
【研究成果の概要】
本研究の目的は2つで、第1は、17世紀の英国女性作家の創作活動がその後の同国小説の展開にどのように貢献したかを明らかにすること、第2は、17世紀前半における貴族の館での演劇上演への女性の多様な関わりが、その後の英国演劇文化の展開にどのように影響したかも明らかにすることである。本研究は、第1部:「17世紀に英国で出版された男性・女性作家による作品の収集・分析等」、第2部:「海外での資料収集・調査等」、第3部:「第1・2部の取りまとめ」の3部構成である。2021年度に取り組む予定であった第2部と第3部は、コロナ禍の影響により大宗がやむを得ず2022年度以降に延期となったので、2021年度は2020年度に行なった第1部を発展させながら第3部に向けた準備に着手した。2021年度の具体的研究実績は下記の通りである。
1.17世紀以降に英国やヨーロッパ大陸等で出版された男性・女性作家の作品(散文ロマンス、戯曲、詩集、日記、手紙等)を広く収集し読み込んでの各テクスト相互間の比較研究。2.Katherine Philipsの ‘Letters from Orinda to Poliarchus’(フランスのコルネイユによる悲劇Pompey(1663年にダブリンの商業劇場で英国女性による翻訳劇として初上演された)の翻訳過程が記録されている)の分析。3.18世紀・19世紀以降の演劇上演と英国女性の多様な関わりについての概要把握。4.当時の女性を取り巻く社会や文化の全体像をより鮮明に把握するために、データベース等を駆使して政治・宗教パンフレットや作法書などジェンダー観に関わる出版物の調査。
これらの研究に取り組む過程で、イギリスでの学会セミナーへのオンライン参加や英語論文2本の執筆と改訂を進めることもできたので、これらを今後主要査読誌等に投稿予定である。
【研究代表者】
【研究種目】研究活動スタート支援
【研究期間】2020-09-11 - 2023-03-31
【配分額】2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)