光と植物ホルモンによる形態形成制御機構の解明
【研究分野】植物生理
【研究キーワード】
ブラシノステロイド / 光形態形成 / P450 / 環境応答 / 生合成制御 / 6位酸化酵素 / プラシノステロイド
【研究成果の概要】
ステロイド系植物ホルモン・ブラシノステロイド(BR)の生合成が光によってどのような調節を受けているのかを明らかにし、BRが植物の成長と形態形成を制御する仕組みの一端を明らかにすることを目的として研究を行った。
まず、明所と暗所で育てたキュウリのBR内生量の定量から、光がBR生合成の6位酸化のステップを活性化する事が示唆された。そこで初年度アラビドプシスから6位酸化酵素をコードする遺伝子BR6ox1をクローニングして酵母細胞で発現させ、同遺伝子の機能を証明した。最終年度はアラビドプシスに新たな6位酸化酵素遺伝子BR6ox2が存在することを突き止め、同遺伝子をクローニングした。これら2つの6位酸化酵素遺伝子の植物体における発現を調べたところ、2つの遺伝子の発現パターンは異なる器官特異性を持っていることが明らかになった。また、光によって遺伝子発現が逆方向に制御されていることを明らかにできた。一方、申請者の所属する研究室ではBR生合成の特異的阻害剤であるブラシナゾール(Brz)の開発に世界で初めて成功した。最終年度はこのBrzの改良型であるBrz2001やBrz220の開発に成功した。これらの改良型はBR生合成に対する特異性が向上している。さらにBrzに耐性のアラビドプシスミュータントを単離同定することに成功した。このミュータントの原因遺伝子の同定や、ミュータントの表現型解析を行った。
【研究代表者】