ヒトゲノム機能解析のためのsiRNAライブラリの構築とRNAi関連遺伝子の探索
【研究分野】基礎ゲノム科学
【研究キーワード】
RNA interference / RNAi / siRNA / human / genome / 機能解析 / siRNAライブラリ / RNAi関連遺伝子 / humna / mouse
【研究成果の概要】
ヒトをはじめとする様々な哺乳類ゲノムプロジェクトの進行により哺乳類の遺伝情報を担うおおよその遺伝子が特定され、ゲノム研究は、その構造解析から機能解析に焦点が移ってきたと言える。本研究では、ヒトを含む哺乳類の網羅的ゲノム機能解明のためのRNAi関連技術を開発し、siRNAミニライブラリを構築して、RNAi関連遺伝子群のスクリーニングを行った。我々は、RNAi効果の高いsiRNA配列の選択法を確立しており、(1)ガイド鎖の5'末端がAまたはUであり、(2)パッセンジャー鎖の5'末端がGまたはCであり、(3)アンチセンス鎖の5'領域にAまたはUが多く、(4)長いGCの連続配列がないsiRNAはRNAi効果が高いことを報告している。DNAベクターからsiRNAを発現させる場合、既存のベクター(RNA polymerase IIIプロモータ型)では、ベクターの特性にあったsiRNA配列でなければならないため、選択できる配列が限られる。このような問題を解決するため、RNA polymerase IIプロモータを用いたベクター系を構築した。さらに、Dicerによる2本鎖RNAの切断パター一ンをin vitroで解析した結果、長い2本鎖RNAは、Dicerによって、最終的には21または22bpのsiRNAに切断されることがわかった。我々は、21bpのsiRNAに関しては、RNAi効果の高いsiRNAの配列規則性を提唱していたが、この結果を踏まえて、22bpのsiRNAにおける効く配列規則性の検討を行い、高い確率で有効である配列の規則性を報告した。さらに、2種のsiRNAを直列に繋いだ2本鎖RNAによって、ダブルノックダウンが可能であることを示した。ヒト、マウスの転写因子、アポトーシス関連遺伝子、ミトコンドリア遺伝子、核酸結合遺伝子などのミニライブラリを作製して、マウスEmbryonic stem(ES)細胞、ヒトHeLa細胞でのスクリーニングを行い、これらに関連する遺伝子群の候補を同定した。
【研究代表者】
【研究分担者】 |
程 久美子 | 東京大学 | 大学院理学系研究科 | 助教授 | (Kakenデータベース) |
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【研究種目】基盤研究(A)
【研究期間】2004 - 2006
【配分額】50,570千円 (直接経費: 38,900千円、間接経費: 11,670千円)