コヒーシンの転写制御における役割の解明
【研究分野】基礎ゲノム科学
【研究キーワード】
ゲノム構造 / コヒーシン / アセチル化 / HDAC8 / SMC3 / クロマチン免疫沈降 / コルネリア・デ・ランゲ症候群 / ChIP-seq / アセチル化修飾 / ChIP-seuence法 / マウス胎児 / 転写制御
【研究成果の概要】
コヒーシンサブユニットSMC3コンディショナルノックアウト(SMC3KO)マウスを作製した。神経細胞特異的にSMC3のヘテロノックアウトすると、神経細胞の維持ができず、細胞死が誘導される。現在、神経細胞分化段階で、時期を変えてノックアウトを行い、形態学的な影響とともに遺伝子発現変化、クロマチン高次構造解析を行うことを予定している。一方、SMC3が、ESCO1/ESCO2によりアセチル化されることと、その特異的な脱アセチル化酵素としてHDAC8を新たに見いだした。さらにHDAC8が、今まで原因が特定されていなかったCdLS遺伝病の原因遺伝子の一つであることが明らかとなった。これらの発見に加え、コヒーシンのアセチル化、脱アセチル化状態がダイナミックに変動しているという知見から、コヒーシンのアセチル化制御と転写制御との連携の可能性が考えられた。現在、ChIP-seq解析法を用いて、染色体上での経時的なコヒーシンのアセチル化領域の変化について詳細に解析を進めるとともに、アセチル化の分子的意義について解析を進めている。
【研究代表者】
【研究種目】若手研究(B)
【研究期間】2009 - 2010
【配分額】4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)