サイトカインによる細胞の増殖分化と細胞死のシグナル伝達
【研究分野】免疫学
【研究キーワード】
サイトカイン / サイトカイン受容体 / シグナル伝達 / アポトーシス / 造血 / 生殖細胞 / 血管内皮細胞 / 発生 / オンコスタチンM / 血管内皮 / セルトリ細胞 / 始原生殖細胞 / 細胞増殖 / 細胞分化 / 細胞死 / 白血病
【研究成果の概要】
造血細胞の生存はサイトカインに依存しており、サイトカイン除去により細胞死が誘導される。我々はすでにこのサイトカインによる細胞死抑制機能にはサイトカインにより活性化されるRASが重要であることを示した。そこで、RASの変異体を用いてRAS下流のシグナル経路の解析を行い、RASはRAF/MAPキナーゼ経路とPI3キナーゼ経路の両方を介して細胞死を抑制していることを明かにした。一方、サイトカイン非存在下ではCaspase-3が活性化され、それがサイトカイン除去に伴う細胞死に重要であることも明らかにした。また、我々はサイトカインで誘導される分子としてオンコスタチンM(OSM)を同定していたので、その機能を検索した。造血発生の場として知られている胎生期のAGM(aorta/gonad/mesonephros)領域にOSMの発現を認め、マウスAGM領域の細胞を培養する系にてOSMが血球産生と血管内皮細胞の増殖を促進することを見いだし、OSMが血球と血管内皮に共通の前駆細胞hemangioblastsに作用する可能性を示した。さらに、この培養系を用いて、血球産生に必須な転写因子c-myb,AML-1の作用を解析した。また、OSMは生殖細胞とセルトリ細胞にも作用することを見いだした。さらに、マウスOSM受容体の生化学的解析およびマウスOSM受容体遺伝子クローニングにより、機能的な受容体の分子構造を明らかにし、ヒトOSMとの相違を明らかにした。
【研究代表者】
【研究種目】国際学術研究
【研究期間】1997 - 1998
【配分額】5,500千円 (直接経費: 5,500千円)
【研究分担者】 |
COPELAND Nea | 米国国立がん研究所 | 主任研究員 |
JENKINS Nanc | 米国国立がん研究所 | 主任研究員 |
DAAR Ira | 米国国立がん研究所 | 主任研究員 |
DONOVAN Pete | 米国国立がん研究所 | 主任研究員 |
木下 大成 | 東京大学 | 分子細胞生物学研究所 | 助手 | (Kakenデータベース) |
原 孝彦 | 東京大学 | 分子細胞生物学研究所 | 助教授 | (Kakenデータベース) |
NEAL Copelan | 米国国立がん研究所 | 主任研究員 |
NANCY Jenkin | 米国国立がん研究所 | 主任研究員 |
IRA Daar | 米国国立がん研究所 | 主任研究員 |
PETER Donova | 米国国立がん研究所 | 主任研究員 |
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