ナノポアシーケンスを用いたRNA修飾の1分子解析技術の開発
【研究キーワード】
RNA修飾 / tRNA / エピトランスクリプトミクス / ナノポアシーケンス / 機械学習
【研究成果の概要】
RNA修飾を迅速かつ簡便にマッピングする技術の確立は今後のエピトランスクリプトミクス研究に欠かせない基盤技術である。本研究では、ナノポアシーケンサーを用い、RNAに含まれる様々な修飾を検出する技術の確立を目指している。大腸菌から精製した全44種類のtRNAのナノポアシーケンスを行い、個々の電流値のデータを畳み込みニューラルネットワーク(CNN)に深層学習させた。テストデータを用い、精度の検証を行ったところ、全44種類のtRNAを平均で98%を超える高い精度で分類することに成功した。また、たった一か所のtRNA修飾の有無を判定することにも成功した。
【研究の社会的意義】
本研究成果は、エピトランスクリプトミクス研究の基盤技術を提供し、RNA修飾が担う機能と、普遍的な生命現象との関わりを明らかにすることで、学術的に貢献するだけでな、将来的なエピトランスクリプトミクス創薬や食料問題など、様々な経済的価値の創出に大きく貢献することが期待される。特に本技術は、がんや生活習慣病などの疾患で変動するRNA修飾を、微量な試料を用いて、迅速にかつ正確に解析することが可能になるため、有用なバイオマーカーが存在しない疾患領域においても、新しい診断法を提供できる可能性があると考えられる。
【研究代表者】
【研究種目】挑戦的研究(萌芽)
【研究期間】2019-06-28 - 2021-03-31
【配分額】6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)