RND型トランスポーターの結晶構造に基づく機能解析
【研究分野】構造生物化学
【研究キーワード】
多剤排出トランスポーター / 結晶化 / X線結晶構造解析 / 多剤耐性 / 膜輸送 / 構造解析 / 薬剤耐性 / 構造生物学 / 線結晶構造解析 / 膜輸送体 / トランスポーター
【研究成果の概要】
院内感染などに見られる多剤耐性化の主要な原因の一つであるRND型多剤排出トランスポーターの作動メカニズムの本質的理解を目指し、立体構造情報の高解像度化を進めるとともに、得られた結晶構造に基づく機能解析を進めた。得られた結晶構造に基づく蛋白質工学的解析を行い、基質透過経路のなかほどに基質選択性に関わるフィルター様の働きを持つ部位を見いだした。また、これまで極めて困難であったRND型トランスポーターの直接的な生化学的解析を行う手法としてグラム陽性細菌由来のRNDトランスポーターホモログを用いる方法を考案した。グラム陽性細菌由来RND型トランスポーターにおける薬剤排出研究はこれまでほとんど行われてこなかったが、グラム陽性菌のRND型トランスポーターも実際に薬剤を排除することが実験的に示された。また、これらのターゲットとした膜蛋白質の大量発現に成功し、結晶化が可能な高純度のサンプルを得ることにも成功している。それらの結晶化に際し、フェムト秒レーザー照射や微量溶液撹拌のほか、新たに開発中の高濃度アガロースゲル中での結晶化など新たな結晶化技術の開発し特許申請を行うと共に、それらを適用して現在もトランスポーターの結晶化を行った。大腸菌AcrBについてはは分解能が2.5Å分解能にまで向上した。
【研究代表者】
【研究種目】基盤研究(A)
【研究期間】2007 - 2009
【配分額】42,380千円 (直接経費: 32,600千円、間接経費: 9,780千円)