【研究分野】腫瘍生物学

【研究領域課題番号】17H03589 (KAKENデータベースで見る）

【研究キーワード】

がん対策 / 政策評価 / シミュレーション / モデル

【研究成果の概要】

日本のがんの罹患および死亡に関するシミュレーションモデルの構築、数理分析および予防危険因子に関する疫学的解析を実施し、胃内視鏡検診の対象年齢および受診間隔の最適条件、大腸がん検診において国のがん対策推進基本計画の目標値である受診率50%、精検受診率90%が達成された場合の死亡率減少効果、過去のB型・C型肝炎対策によるキャリア数の減少効果よび死亡率減少効果、包括的たばこ対策の実施による将来の死亡数減少効果の推計、子宮頸がんの原因となるヒトパピローマウイルスのgenotype別感染率、前立腺がんが早期がんで著明に増加し、遠隔転移がんおよび死亡で減少が顕著でないことを明らかにした。

【研究の社会的意義】

わが国において、疾病の予測モデルは新型コロナウイルス感染症など感染症疫学とその対策には広く使われているが、慢性疾患については発展途上である。本研究により胃がん、大腸がん、肝細胞がん、喫煙起因死亡について妥当性の確認されたシミュレーションモデルが構築されたことは学術的に大きな進歩である。日本のがん対策においては、予防、検診、治療いずれもガイドラインが策定されているが、その実施や普及による効果や最適な実施条件が明らかでなかった。本研究によりがん検診の最適条件の検討や国の目標値の実現効果など評価が一部可能になったことで、科学的根拠に基づくがん対策の立案が可能となる。

【研究種目】基盤研究(B)

【研究期間】2017-04-01 - 2021-03-31

【配分額】17,680千円 (直接経費: 13,600千円、間接経費: 4,080千円)