記憶能力を制御する食品成分スクリーニングのためのin vitroアッセイ系の開発
【研究分野】食品科学
【研究キーワード】
CREB / CBP / 記憶 / 転写調節 / 蛍光エネルギー移動 / GFP / 脳機能 / 精神疾患
【研究成果の概要】
本課題では、記憶形成プロセスを操作できる食品成分をスクリーニングするための実用的なセルフリー・アッセイ系の新規開発を目指して、 Green Fluorescence Protein(GFP)変異体群間で観察される蛍光エネルギー移動(FRET)利用して、転写調節因子CREBとCBP間の相互作用を促進する、あるいは、阻害する食品成分をスクリーニングするin vitroアッセイ系の構築を試みた。
(1)培養細胞を用いた無細胞系に適したYFP-CREBとCFP-CBP融合タンパク質の開発
CREB、 CREB内のCBPとの相互作用ドメインであるKinase-Inducible Domain (KID)及びCBP内のCREBとの相互作用ドメインであるKIXドメインを用いて、 CREBあるいはこれらのドメインとYFP及びCFPとの融合タンパク質群(YFP-CREB, YFP-KID, CFP-KIX)を作製した。培養細胞内でこれらYFP及びCFP融合タンパク質群を過剰発現させて、フォルスコリンやイオノマイシンの添加により、 CREBのリン酸化を誘導したところ、リン酸化依存的なCREBとCBPの相互作用をFRETを用いて検出できることが明らかとなった。また、この相互作用は初代培養神経細胞においてもリアルタイムに検出できることが示され、様々なタイプの細胞に応用できることが示された。現在、二つの融合タンパク質を恒常的に発現する培養細胞株の確立を行っている。
(2)無細胞FRET検出系用のYFP及びCFP融合タンパク質の生産とFRET検出系の確立
発現ベクターpCold等を用いて、(1)で作製されたCREB及びCBP融合タンパク質群の発現ベクターを構築し、大腸菌内での発現を試みた。しかし、発現量が十分ではなかったため、現在、 in vitro転写・翻訳系を用いて融合タンパク質群の発現及び精製を試みている。
【研究代表者】
【研究種目】萌芽研究
【研究期間】2008
【配分額】1,700千円 (直接経費: 1,700千円)