ヒトには効くがバクテリアには効かない痛風薬―酵素薬剤相互作用のダイナミクス―
【研究分野】生物物理学
【研究キーワード】
酸化還元酵素 / 構造・機能予測 / 分子動力学 / キサンチン / 痛風治療薬 / 阻害剤 / フェブキソスタット / BOF / 創薬
【研究成果の概要】
キサンチン酸化還元酵素(XOR)は、キサンチンを水酸化して尿酸に変える。過剰な尿酸の産生は痛風を導くので、ヒトXORは痛風薬のターゲットである。XORは細菌からヒトまで存在し、その3次元構造は全ての生物種で酷似していて同じ反応機構により尿酸生成を行う。しかし、阻害剤BOF-4272 (BOF) は、哺乳類XORを阻害する一方、細菌XORを阻害しない。このことは、XORの静的な3次元構造からBOFの阻害機構を単純には理解できないことを意味している。動的な視点に着目し、分子動力学計算を行うことによってBOFによる阻害作用の違いを説明することに成功した。
【研究代表者】