輸送小胞が認識されるための最小必要因子の同定
【研究キーワード】
VPS13B / テザリング因子 / リサイクリングエンドソーム / SNARE / Vps13 / Rab14 / マイクロインジェクション / Vps13B / 合成生物学 / 細胞内輸送 / エンドソーム / 輸送小胞
【研究成果の概要】
申請者はこれまでに、リサイクリングエンドソームに存在する新規テザリング因子として「Vps13B」を得た。これまでにVps13Bがすでに報告されていたゴルジ体に加えて、リ サイクリングエンドソームのマーカーであるRab14と高い割合で共局在を示した。更に、syntaxin6とsyntaxin13を再構成したリポソームを細胞内にマイクロイン ジェクションを用いて導入すると、それらはリサイクリングエンドソームへと特異的にターゲッティングされるが、Vps13Bノックダウン細胞ではそれが抑制され ること、またそのノックダウン細胞では、細胞外から取り込まれたトランスフェリンの輸送が遅延することを明らかにした。これらの結果から、Vps13Bはリサイクリングエンドソームに局在し、細胞外から取り込んだ物質のリサイクリングに関わる小胞を特異的に受け入れるために必要なテザリング因子であることを明らかにすることができた。更にVps13B以外のVps13ファミリータンパク質(VPS13A,VPS13C, VPS13D)もテザリング因子として機能しているのかを調べた。まず、進化生物学手法を用いて、大規模遺伝子情報を用いて、生物種間でVps13ファミリーがどのように分化してきたのか明らかにするために系統樹を作成した。また、一連のVps13B領域欠損発現コンストラクトを作成し、膜結合に必要な領域とsyntaxinとの結合領域を同定した。その結果、syntaxinとの結合部位はVPS13B以外では保存されていないことが分かった。
またこれと並行して後期エンドソームにおける新規テザリング因子の同定も行っ た。
【研究代表者】
【研究種目】基盤研究(C)
【研究期間】2019-04-01 - 2023-03-31
【配分額】4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)