ディスポーザブルなマイクロチップを用いた生体高分子の反応及び分離検出
【研究分野】生物・生体工学
【研究キーワード】
マイクロチップ / シリコーンゴム / 電気泳動分析 / 遺伝子増幅反応 / 生体外蛋白質合成 / キャピラリ電気泳動 / ディスポーザブルチップ / Micro-TAS / DNA解析 / ゲノム解析 / キャピラリー電気泳動 / μ-TAS
【研究成果の概要】
本研究では、シリコン基板上に製作した構造を鋳型にして、シリコーンゴムを用いたマイクロモールディングを行うことによって安価でディスポーザブルなマイクロチップを製作することを目指して研究を進めてきた.最終年度である平成13年度は、前年度に引き続いて、フリーフロー電気泳動によるDNAの分離について、詳細を検討すると同時に、チップ上における遺伝子増幅反応や生体外蛋白質合成反応についても具体的な実験を通して、その可能性を検討した。
1)フリーフロー電気泳動
2インチ×3インチのガラス基板上に、電圧印加のためのクロムー金電極を形成し、その上にシリコーンゴム製の流路構造を張り合わせたハイブリッド構造のマイクロチップを製作し、ゲル溶液を分離マトリクスに用いてDNAの電気泳動分離を行った。その結果、ゲル濃度や印加電圧を調整することにより、100bp~数100bp程度のDNA断片について25bp程度の分解能で分離が行えることを確認した。分離速度は、2分程度であり、従来のスラブゲルを用いる方法に比べて十数倍の高速分離が可能である。
2)生化学反応
電気泳動と同様のガラス基板とシリコーンゴム製流路構造とを組み合わせたハイブリッド構造を用いて、温度制御を行いながら生化学反応を試みた。具体的には、55℃付近から95℃付近までの熱サイクルが必要となる遺伝子増幅反応と37℃付近で温度を一定に保つ必要がある生体外蛋白質合成反応について実験を行った。遺伝子増幅反応では700bp程度のDNA断片について、増幅が行えることを確認した。生体外蛋白質合成反応においては、緑色蛍光蛋白質(GFP)について合成を行い、実際に蛍光を検出することによって、反応が進むことを確認した。
【研究代表者】
【研究分担者】 |
関 実 | 東京大学 | 大学院・工学系研究科 | 助教授 | (Kakenデータベース) |
山本 貴富喜 | 東京大学 | 生産技術研究所 | 助手 | (Kakenデータベース) |
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【研究種目】基盤研究(B)
【研究期間】1999 - 2001
【配分額】5,500千円 (直接経費: 5,500千円)