金属錯体を基盤とするコア-シェルブロックコクリスタルの創製とシナジー機能の開拓
【研究キーワード】
結晶化 / 自己集合 / 金属錯体 / ブロック構造体 / スピンクロスオーバー / コアシェル型ブロック共結晶 / 分子間相互作用
【研究成果の概要】
結晶は、構成分子の位置や配向が完全に規定された集合体である。結晶状態においては構造-物性相関が明確であり、分子に秘められた機能をバルク状態で発揮することが可能である。申請者は、結晶を一つの分子集合体のコンパートメントと見なし、異種の結晶の階層的集積化により、シームレスなヘテロ接合界面を有する一つの構造体を構築できれば、単一成分の結晶では見られない協同的な機能を発現できるのではないかと考えた。そこで本研究では、有機合成に基づく緻密な配位子の設計性と金属イオンの優れた機能をあわせ持つ金属錯体をターゲットとし、「core-shell block co-crystal」の創製とそのシナジー機能を探求する。具体的には、(1)異種錯体分子の結晶同士がヘテロ接合した core-shell block co-crystal の精密作製法の確立と (2)分子構造の異なる錯体分子の結晶同士がヘテロ接合した core-shell block co-crystal の創製を通じ、(3)core-shell block co-crystal のシナジー機能、特に協同的スピン転移現象を発現する系の構築を目指す。
2021年度は、カルボキシ基もしくはアミド基を水素結合性ユニットとして導入したビスピラゾリルピリジン誘導体を配位子とする鉄、コバルト、亜鉛錯体の逐次的結晶化による core-shell block co-crystal の構築に取り組んだ。また、配位子の構造が類似した異種金属錯体同士を逐次的に結晶化することで、分子構造の異なる金属錯体分子の結晶同士がヘテロ接合した core-shell block co-crystal の作製にも成功した。
【研究代表者】
【研究種目】若手研究
【研究期間】2021-04-01 - 2023-03-31
【配分額】4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)