抗菌作用を発揮する大環状特殊ペプチドの発見と開発
【研究分野】生体関連化学
【研究キーワード】
RaPID System / mRNA display / quorum sensing / macrocyclic pepide / infectious deseases / macrocyclic peptide / infectious diseases / ペプチド / 特殊ペプチド / 翻訳 / 薬剤探索
【研究成果の概要】
ウィードマン博士は、感染症にかかる2つの国際共同研究プロジェクトに従事しました。
一つは、米国NIH機関所属の研究者であるInglese教授との共同研究において、iPGM(cofactor independent phosphoglycerate mutase)を標的とした感染阻害薬剤探索に従事しました。この研究では、前任の博士研究員が既に候補化合物を獲得していましたが、生体安定性等で問題を有していたため、改良が必要でした。彼女は、様々な合成ペプチドアナログを合成し、それをNIHに送付、NIHで活性を検討するというリレー研究で、直鎖ペプチドを全く異なる有機化合物に置き換えることに成功しました。さらに、阻害活性に必須であったC末端Cysも別の金属配位子に置き換えることに成功しました。この進展は、今後の薬剤開発の基盤となり得る成果であり、今後も別の菅研内の博士研究者によって研究が継続される予定にしております。
二つめのプロジェクトは、プリンストン大学のMuir研との共同研究で、グラム陰性菌のクオラムセンシングレセプターを阻害、あるいは活性化する特殊環状ペプチドの探索です。これについても目的の特殊環状ペプチドの発見につながり、Muir研がその生理活性を検証しています。これらの研究はいずれも特殊ペプチド創薬の感染症への応用可能性を示す極めて重要な成果となりました。
【研究代表者】
【研究種目】特別研究員奨励費
【研究期間】2016-11-07 - 2019-03-31
【配分額】2,300千円 (直接経費: 2,300千円)