トリアゾール連結型アミノアシルtRNAによるアミノ酸導入技術革新
【研究分野】生体関連化学
【研究キーワード】
トリアゾール / RNA / クリック化学 / mRNA / duplex / π積層 / 芳香族分子 / 二重鎖 / CuAAC / DNA / tRNA / 翻訳反応 / ヌクレオシド / アミノアシルtRNA / 非天然型アミノ酸 / ペプチド
【研究成果の概要】
核酸伸長反応に高効率なクリック化学を活用したトリアゾール連結核酸の高効率合成法を開発し,その生命科学における機能展開を実現した.当初予定していたRNAとアミノ酸とのクリック連結法を探索するなかで,DNA末端へのアジド化とそのクリック連結法を開発し,これが次世代DNAの鋳型DNA調整に活用可能であることに注目して簡便鋳型合成法を実現した.さらに,当初の合成標的であった修飾tRNAから,全く開拓例がなく,より挑戦的な修飾mRNAの開発に標的を切り替え,初の非リン酸型コドンをもつ修飾mRNAを実現した.こうした修飾RNAの二重鎖形成におけるトリアゾール連結部の効果を熱力学的解析から明らかにした.
【研究の社会的意義】
非リン酸型核酸は高い化学的・熱力学的安定性に加え,多様な機能性が期待される次世代型バイオ材料であるが,その合成上の制約により機能展開に至った例はごく限られていた.本研究では,高効率なクリック化学に着目して,糖保存・非リン酸型RNAでの最長の例を実現し,その二重鎖形成における熱力学的特性を初めて明らかにした.さらにこうした非リン酸型の機能展開として,これまで例のない翻訳反応におけるmRNAとしての機能性評価や,次世代シークエンサーのための鋳型DNA調整法を実現した.本研究により,これまでほとんど明らかとなってきていない非リン酸型RNA・DNAの機能性開拓を達成した.
【研究代表者】
【研究種目】基盤研究(C)
【研究期間】2016-04-01 - 2021-03-31
【配分額】4,940千円 (直接経費: 3,800千円、間接経費: 1,140千円)