電極触媒を用いる環境調和型高選択的電解フッ素化プロセスの開発
【研究分野】有機工業化学
【研究キーワード】
電極触媒 / メディエーター / トリアリールアミン / 脱硫フッ素化 / ダイヤモンド電極 / フッ素系生理活性物質 / 電解フッ素化 / リテウ電池用電解液 / メデイエーター / 生理活性物質 / ベンゾイルフルオリド / 複素環化合物 / 含フッ素β-ラクタム / ジフルオロメチレン基 / 含フッ素環状カーボナート / 含フッ素エーテル / リチウム電池 / 有機電解液 / モノフルオロ化合物 / ジフルオロ化合物
【研究成果の概要】
本研究は電解フッ素化に適した電極触媒の設計と選定を通して、フッ素系機能性材料や生理活性物質の創製などを指向した電極触媒的電解フッ素化プロセスを新たに開拓することが主目的であり、3年間で以下の成果を得、所期の目的をほぼ達成できた。
1)高密度リチウム電池用有機電解液の開発:電極触媒的電解フッ素化により含フッ素環状カーボナートの最適合成ルートを開発した。得られた含フッ素環状カーボナートは高密度リチウム電池用有機電解液として極めて優れていることを見いだした。
2)電極触媒的脱硫フッ素化によるフッ素系生理活性物質の創製:トリアリールアミンを電極触媒とする電解脱硫フッ素化による含フッ素β-ラクタムの高効率的合成に成功するとともにトリアリールアミン電極触媒を用いたジチオアセタール類からの電解脱硫フッ素化によるgem-ジフルオロメチレン化合物の合成を達成した。さらに、同種の電極触媒によりS-アリールチオベンゾアート類の脱硫フッ素化が円滑に進行し、対応するベンゾイルフルオリド類が高収率で得られることを見い出した。従来から電解フッ素化で問題とされていた陽極の不動態化がトリアリールアミン電極触媒の利用により回避できることを明らかにした。
3)ダイヤモンド電極による有機化合物の選択的フツ素化:ダイヤモンド電極が白金電極と同様に種々の複素環化合物の電解フッ素化法に対し、優れた電極触媒能を示し、好収率で相応するフッ素化体を与えることを見出した。
4)代替フロン(冷媒)の開発:代替フロンのモデル化合物として含フッ素エーテル系を選定し、種々のエーテル類を電解フッ素化法することに成功した。
【研究代表者】
【研究分担者】 |
跡部 真人 | 東京工業大学 | 大学院・総合理工学研究科 | 講師 | (Kakenデータベース) |
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【研究種目】基盤研究(B)
【研究期間】2000 - 2002
【配分額】8,900千円 (直接経費: 8,900千円)