スメクチックA液晶における電傾効果の基礎的研究と高速光モジュレ-タ-への応用
【研究分野】電子材料工学
【研究キーワード】
強誘電性液晶 / 電傾効果 / スメクチックA相 / 電気光学効果 / X線回析 / 層構造 / X線回折 / X線線回折
【研究成果の概要】
第1年目の研究結果の1として、電場を印加し電傾効果を生じさせると分子の傾き角ばかりではなく、層の変形も誘起されていることを示唆するデ-タが得られた。当該年度はこのことを明らかにする実験を行った。
1.層がガラス界面と垂直になるように表面処理したセルを組み、透過のジオメトリ-でX線回折実験を行った。分子軸の傾きが誘起されることによって層間隔が変化するが、その変化はそれほど大きくないので、電場無印加時の層間隔のブラッグ角に検出器を固定し、X線散乱強度をセルの回転角の関数として測定した。印加電場の増加に従い、2つのピ-クがほぼ対称に現れ、間隔が広がった。このことはSmA相において電場を印加し、電傾効果を生じさせると同時に「く」の字層構造が誘起されることを意味する。結果の解析から層の傾き角は比較的低電場では分子の傾き角にほぼ等しいことが確認された。
2.上述の実験は層の変形がセル界面に垂直方向に限られると仮定しての解析であった。しかし、偏光顕微鏡による組織観察によってセル面内にも層の変形が生じていることが予想される。このことをX線を用いて確認するためには透過ラウエ写真をとる必要がある。このため1と同様な極薄のガラスを用いてセルを作製し、透過ラウエ写真を撮影した。しかし、現在のところガラスによる散乱強度が強く実験は成功していない。
3.電傾効果は常誘電相におけるソフトモ-ドの励起に対応するので、分子の誘起傾き角が転移点に近づくにつれて大きくなるのに対応して誘電率の増加がみられるはずである。本研究では誘電率の自動測定装置を開発し、このことを確認した。
【研究代表者】
【研究分担者】 |
大内 幸雄 | 東京工業大学 | 工学部 | 助手 | (Kakenデータベース) |
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【研究種目】一般研究(C)
【研究期間】1988 - 1989
【配分額】2,000千円 (直接経費: 2,000千円)