光励起三重項状態間の吸収を利用した光学センサーの開発
【研究分野】生物機能・バイオプロセス
【研究キーワード】
酸素センサー / ポルフィリン / リン光 / 光励起電子移動 / 光学センサー / 三重項状態 / リン光化合物 / レーザーフラッシュ法
【研究成果の概要】
18年度は定常的な光励起三重項状態間の吸収(T-T吸収)を測定し酸素センシングする方法(Stationary quenching法)を開発した。さらに、この方法を利用して、光学的な酸素センサーの開発に成功した。
Stationary quenching法はポルフィリンの光励起三重項状態が酸素によって消光されることを利用して、T-T吸収を測定し酸素センシングを行う。パルスレーザーを励起光源として用いる光励起3重項寿命測定とは異なり、Stationary quenching法では、定常光のみを利用する。励起光とT-T吸収モニター光の二つの光源による定常的な光励起により、酸素濃度を定量する方法である。したがって、酸素濃度の変化はT-T吸収強度の変化として測定される。
Stationary quenching法による酸素センシングシステムを構築した。酸素センサー素子の色素としてZinc tetrakis (pentanuorophenyl) porphyrin (ZnTFPP)を用いた。ZnTFPPをポリスチレンに混合し製膜した酸素センサー素子を調製し、その表面酸素濃度を変化させ、酸素センサー特性を評価した。その結果、酸素濃度とT-T吸収の吸光度が直線関係となり、また、酸素濃度5%以下の領域においても高い精度が得られた。このことから、Stationary quenching法を利用した光学的酸素センシングシステムが構築できることがわかった。さらに、ZnTFPPをアルミニウム酸化膜にドープしたセンサー素子を調製し同様の測定を行った。この場合においても、同様に光学的に酸素センシングできることがわかった。
【研究代表者】
【研究分担者】 |
小倉 俊一郎 | 東京工業大学 | 大学院・生命理工学研究科 | 助手 | (Kakenデータベース) |
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【研究種目】萌芽研究
【研究期間】2004 - 2006
【配分額】3,300千円 (直接経費: 3,300千円)