化学反応の量子制御
【研究分野】物理化学
【研究キーワード】
量子制御 / コヒーレントコントロール / 化学反応 / 反応ダイナミクス / レーザー制御 / 位相制御
【研究成果の概要】
本研究企画調査「反応の量子制御」は、分子とレーザーのコヒーレントな相互作用を利用する新しい反応研究領域をわが国において確立することを目的とし、その研究成果が世界的レベルで寄与するよう提案されたものである。現在、所謂フェムト秒化学を発展させた米国、カナダ、ドイツ等で、分子科学における最重要研究課題として反応の量子制御を推進させている。その基礎研究の波及効果は物理化学の領域を超えて、広く化学、生物、物理等の学際領域に及ぶものと期待される。このような状況、観点から、日本においても、平成11年度をめざして、特定領域研究として反応の量子制御研究を立ち上げるべく、本研究企画調査をおこなった。
9月21日に分子科学研究所において第一回研究会を開催し、班員全員の研究計画の発表とそれに対する討論を行った。続いて、9月22日〜24日第60回岡崎コンファレンス“Optical Control of Chemical Reaction Dynamics"に大部分の班員が参加して世界の「反応の量子制御」の現状と進むべき方向をさぐり、我々の特定領域領域申請の意義を新たにした。更に、申請書を作成のためにと今後の研究の進め方について班代表者による会合を仙台で2回開催した。本研究の正否は、研究テーマの性格上、実験家と理論家のアイデア、研究能力、技能が如何にうまく発揮され、融合されるかを重視して研究組織のもとをつくり研究計画実施プランを作成した。全体会議と前述の岡崎コンファレンス等の会議内容の検討により、予定より1年早く平成10年度の採択に向けて特定領域研究申請書を作成し、11月に文部省に送付した。
【研究代表者】