科学衛星Astro-EによるX線天文学の観測的研究
【研究分野】天文学
【研究キーワード】
Astro-E / 科学衛星 / X線天文学 / 装置開発 / 国際協力 / 放射線計測 / X線分光 / X線光学
【研究成果の概要】
宇宙科学研究所第19号科学衛星ASTRO-Eは、わが国5番目のX線天文衛星となるべく平成12年2月10日に打ち上げられたが、残念ながら、打ち上げロケットの不具合で衛星になることはできなかった。非常に幌医エネルギー範囲にわたって、これまでにない高エネルギー分解能で高感度観察ができ、世界の研究者に利用される国際軌道X線天文台となる予定であった。搭載された観測装置の一部は日米協力で開発され、昨年度及び本年度には、それらの搭載観測装置開発の最終仕上げ、その地上での性能較正、衛星に搭載してでの打ち上げ前最終機能確認試験等が行われた。本研究費からは、アメリカ側担当装置の最終試験への日本側メンバーの酸化・立ち合いや、それらを衛星に搭載しての最終総合試験への米国側メンバーの酸化・立ち合い、又、問題点の整理・検討のための日米での会合へのメンバーの集積に対しても支援が行われた。これらの作業は日米の研究者が一体となって行われ、本研究費による支援は非常に有益であった。さらに、これらの開発は放射線計測学の新しい成果も伴うものであり、関連する国際研究会への発表に対する旅費補助も行われた。これら、搭載観測装置開発にかかわる活動と平行して、打ち上げ後、いかにASTRO-Eの性能を最大限に生かした観測を行って行くかを検討する活動も、日米欧の研究者による科学作業グループを組織して行われてきた。最終年度には、欧州宇宙機構との協力についての打ち合わせが行われ、それに対する支援も行われた。打ち上げは失敗に終わってしまったが、衛星開発、および、国際協力の面では、実りの多い研究をすることができた。
【研究代表者】