赤外観測および実験に基づく恒星終焉期のダスト形成過程の理解
【研究キーワード】
星間塵 / 赤外線 / 有機物 / 実験天文学 / 赤外線観測天文学 / 赤外線天文学 / 星間ダスト / 星間有機物 / 窒素 / 新星 / 観測天文学
【研究成果の概要】
本研究では星間有機物の性質と一生を明らかにすることを目的とする。宇宙の塵は、恒星内部で合成された元素を原材料として、主として終焉期を迎える星の星周空間で誕生する。本研究では、新星爆発や、いずれ超新星爆発に至る直前の大質量星の姿であるWolf-Rayet星周囲における塵の形成に焦点をあて、赤外線観測と模擬星間有機物の室内合成実験の融合的手法によって調べた。その結果、新星爆発によって生まれる有機物の塵の赤外線分光特性を再現する『窒素含有炭素質物質』の合成に成功し、その詳細な分析を完了させた。
【研究の社会的意義】
宇宙の有機物の塵の物質同定とその一生の理解は、地球に存在する生命が、広く長い宇宙の歴史において、いかにありがたくもありふれたものであるかを知ることに直結し、宇宙生物学、天体化学、地球惑星科学、さらには学際的に広く価値が共有される研究対象である。本研究の成果は、2021年8月26日に東京大学において明星大学及び北海道大学と共同で、『新星爆発で生まれる有機物の地理の合成に成功』として、記者発表 (https://www.s.u-tokyo.ac.jp/ja/press/2021/7522/)を実施し、時事通信、朝日新聞のwebニュースのほか、東京新聞、中日新聞に掲載された。
【研究代表者】
【研究種目】基盤研究(C)
【研究期間】2019-04-01 - 2022-03-31
【配分額】4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)