復興期における震災文化の研究―宗教研究からのアプローチと実践―
【研究分野】宗教学
【研究キーワード】
宗教 / コミュニティ / 東日本大震災 / 熊本地震 / 震災後文化 / 関与型調査 / アーカイブ化 / 宗教学 / 震災文化
【研究成果の概要】
私たちは(1)宗教とコミュニティに関して、いわき市にて宗教者へのインタビューを行い、祭礼やイベントへの参与観察を実施し、その成果を星野英紀・弓山達也編『東日本大震災後の宗教とコミュニティ』(ハーベスト社、2019年)として刊行。(2)宮城県南三陸町にて住民とともにさまざまな復興活動をめぐる関与型調査を実施し、町内全入江23ヶ所に関する記憶と画像のアーカイブ化を行い、関係人口招来を目指したパンフレットを作成・ネット公開した。(3)東日本大震災と熊本地震後に被災地で展開される宗教者と市民とが協働するボランティア活動、東京での後方支援、移住者が地域住民と織りなす復興支援を震災後文化として検討した。
【研究の社会的意義】
本研究課題ではメンバーの学会発表・論文発表以外に、期間内に『東日本大震災後の宗教とコミュニティ』(ハーベスト社、2019年)と『宮城県南三陸町オデッティア』(オンライン配布)という成果物を刊行することができた。前者は調査地域を福島県いわき市とそこから北上する相双地域(相馬地域と双葉地域)に絞り、時期的には震災直後から復旧・復興対策期(仮設住宅対策や新しいコミュニティづくりが中心の時期)に限定することにより、より精度の高い情報を提供している。後者は作成の準備段階から研究者と地域住民が協働して調査等に関わり、冊子版は同町観光協会にて無料配布され、関係人口招来の一助となっている。
【研究代表者】